おてしょ皿を知る

直径11センチ以内の小皿を おてしょ皿(手塩皿)といいます

おてしょ皿は、昔も今も大変人気で愛されています。
とりどりの形と絵柄は、食卓の癒しの器と言われるほど。
手頃なサイズでコレクターも多く、そのこだわりには脱帽です。
食卓では小さな存在ですが、人の心を大きく満たし豊かにする逸品です。

始まりは室町期 貴族の器として使われました

京都・朝廷の食卓で、手元に塩を盛る器として使われたということから、手塩皿(おてしょ皿)と名付けられたと言われています。
1616年(江戸時代初期)の有田焼創業以来、様々な器が世に送り出されましたが、4寸(約11センチ)ほどの大きさに形や絵付け・装飾など、技術の粋を凝らしたおてしょ皿は、貴族や大名たちに愛されました。

小さいけれど 使い道は自由自在

醤油などの調味料や薬味入れとしてはもちろん、いろいろな形を集めて前菜の器として、ジャムやバター皿、アイスやフルーツのプチデザート皿として、また箸置きやスプーンレストとしてなど、食卓の名脇役として、使い道は自由自在です。
また食卓以外でも、リングやピアスなどのアクセサリーやちょっとした小物を置くためのトレイなど、生活のあらゆるシーンで楽しくお使いいただけます。

古と現代のコラボレーション 手塩皿復刻プロジェクト

江戸時代に有田にて数多く作られたおてしょ皿。
その優れた技術や情緒・センスを先人に習い、現代におけるおてしょ皿を生み出すため、平成24年8月『伊万里・有田焼 手塩皿collection創出プロジェクト』が始動しました。

まずはおてしょ皿について理解を深めるべく、大橋康二氏を講師に迎え勉強会を実施。佐賀県立九州陶磁文化館に収蔵されている『柴田夫妻コレクション』のおてしょ皿の観察などを通じ、製作方法や土、絵付け・厚み・釉薬の風合いなどを確認していきました。

『柴田夫妻コレクション』収蔵品の中から、特徴のある13種類のおてしょ皿を選定し、平成24年12月に復刻作業がスタートしました。
九州陶磁文化館と佐賀県窯業技術センターの協力で、収蔵品の実物を3Dスキャンし鋳込型を作成。そこから縁取りや細部の彫りなどの修正を繰り返し、形状を復刻しました。絵付け・装飾についてはオリジナルの完全復刻を目指すとともに、各窯元が現代のライフスタイルにマッチする新作の制作に挑みました。

全国の消費者やバイヤーの反応を探るべく、平成25年11月に名古屋、平成26年2月に東京で開催された食器類の展示会へ先行出展。形状と絵付けの豊富なバリエーションは、来場者から予想以上の反響を得ました。

そして平成26年8月、九州陶磁文化館にて『ちいさなちいさな小皿 おてしょ皿展』を開催。2年間の研究成果を披露しました。今後、有田焼創業400年を迎える2016年に向け、更なる形状の復刻・オリジナル作品の制作など、現代のおてしょ皿コレクションを創出すべく活動していきます。

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